【実践報告】
小児期・思春期に発症しキャリーオーバーした1型糖尿病者の療養行動に対する感情
中野 実代子
1
,
穂坂 真理
2
Miyoko Nakano
1
,
Mari Hosaka
2
1医療法人徳洲会東京本部
2山梨県立中央病院
1Tokushukai Medical Corporation
2Yamanashi Prefectural Central Hospital
キーワード:
感情
,
療養行動
,
1型糖尿病者
,
キャリーオーバー
Keyword:
感情
,
療養行動
,
1型糖尿病者
,
キャリーオーバー
pp.145-151
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
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医療の発達に伴い,小児期に発症した疾患をコントロールしながら成人となり生活を送っている患者が増加している.本研究では,小児期・思春期に発症しキャリーオーバーした1型糖尿病者が,小児から成人へ移行する過程で,療養行動にどのような感情を抱いていたのかを明らかにすることを目的とし,2名に半構成的面接を行った.両者に共通していた感情として喜び・不安・怒り・苦しさがあり,1型糖尿病者が療養行動に対して生じる感情が,病気の受容に影響していた.また,患者個々の性格や背景によって,不安感情の原因が異なるが,糖尿病であることを告げられるか否かが,不安感情に影響していた.1型糖尿病者が肯定的な感情を抱いていけるように,病気との付き合い方を患者とともに考え,病気をもちながらも前向きに生活することができるよう,学校関係者と協働しながら援助していくことが必要であるということが示唆された.
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