技術講座 生化学
キャリーオーバーの発生
野本 昭三
1
1信大病院中検
pp.60-61
発行日 1974年11月1日
Published Date 1974/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200627
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キャリーオーバー(carry over)ということばが臨床化学の分野でよく聞かれるようになったのは自動化学分析の普及と平行してきたといえよう.中でもcontinuous flow-systemとの関係が最も深いという印象が一般にあるらしい.すなわちテクニコン社のAutoAnalyzerで試料を連続測定すると,図1に見られるように,前後の試料の濃度差によって,あとの試料の測定値が前の試料の影響を受けて変動する.その影響の受け方は後述するようにflow diagramの選び方その他さまざまな因子によって大きく異なるが,設定した方法ごとにほぼ一定しておりそのキャリーオーバーの大きさCの計算は図中の各試料ピーク値から,
C=(b1-B)/(A-B)×100% (1)
で求められ,必要に応じて各試料の真の値を求めるためのファクターとして用いられている.
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