第9回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●シンポジウム
地域の病院における糖尿病患者の支援―家族・社会の連携とチーム医療
川本 龍一
1
Ryuichi Kawamoto
1
1西予市立野村病院内科
1Department of Internal Medicine, Seiyo Municipal Nomura Hospital
pp.74-78
発行日 2005年3月15日
Published Date 2005/3/15
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はじめに
糖尿病は,いったん罹患すると生涯にわたり血糖のコントロールが重要であり,多くの臨床研究にて合併症や生命予後の改善のために血糖コントロールの必要性が指摘されている.糖尿病の療養生活の基本は食生活の改善や運動療法の実施,インスリン注射などであり,家族の協力なくしては困難であることから,療養指導では患者本人だけでなく家族への働きかけも重要である.
一方,世界に類をみないスピードで進むわが国の少子・高齢化社会は,家族形態やあり方に変化を与え,1人暮らしの高齢者や遠距離家族の増加,血縁の希薄化など家族機能の多様化を生んでいる.そうしたなか,過疎化・高齢化が進む山間地域の病院で,われわれがこれまでに行ってきた糖尿病患者の療養支援の取り組みについて,症例を交えながら紹介するとともに,このような地域における今後の指導や支援のあり方について考察する.
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