病院の広場
総合病院の連携と地域医療
山本 修
1
1都立大塚病院眼科
pp.17
発行日 1970年6月1日
Published Date 1970/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203977
- 有料閲覧
- 文献概要
欧米の病院では,病院は入院を主体とし,一般開業医は外来を中心とし,病院と診療所の機能分化がはっきりしているが,わが国ではお互いの守備範囲が明確でないため常に紛争の種をまき散らしているのは周知のとおりである.しかし,わが国では病院と診療所の競合のみならず.いわゆる公的病院およびこれに近い性格のものを取り上げてみても,国立・都道府県立・市町村立・日赤・済生会・農協その他多くの病院があり,国鉄・電電公社などの職域病院も多く,これらの病院が地域の医療需要とは無関係に乱立して拡張・整備に狂奔し,まったく百鬼夜行のありさまである.
これらの多くの病院にはそれぞれ設立の根拠と由来があり,いまこれを整理・統合せよなどとはいわないし,またそのようなことができる筈もないが,これらの病院がお互いになんの連携もなく,それぞれ独自のプランに従って発展していることは,限られた国民医療という見地からみた場合,大きなムダと非能率を招いているのは事実である.
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.