【研究報告】
自己効力を高める糖尿病教育プログラムの評価
冨樫 智子
1
,
須釜 千絵
1
,
小嶋 百合子
1
Tomoko Togashi
1
,
Chie Sugama
1
,
Yuriko Kojima
1
1慶應義塾大学病院
1Keio University Hospital
キーワード:
自己効力感
,
教育プログラム
,
患者教育
,
糖尿病患者
Keyword:
自己効力感
,
教育プログラム
,
患者教育
,
糖尿病患者
pp.25-34
発行日 2004年3月15日
Published Date 2004/3/15
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
- サイト内被引用
当院では1990~1994年の5年間で糖尿病患者の94.5%が再入院していた.そこで患者教育の方法を見直した結果,情意面の援助が不足しており,患者教育における情意領域の重要性が示唆された.この結果をふまえて,自己効力を高める援助を取り入れた教育プログラムに改訂した.有用性を評価するために新プログラム導入前の旧プログラムと新プログラムの①臨床指標,②自己効力感についての調査を行った.
その結果,退院6か月後まで,①臨床指標において旧プログラム,新プログラムのどちらとも値が改善し,それが持続していた.②食事の自己効力感の変化については2つのプログラムの間に有意な差はなかったが,自己効力を高める新プログラムでは入院中は自己効力感が上昇した.しかし,退院後は低下したため,退院後のかかわりの再検討が示唆された.
これまで各病棟,各看護師によって糖尿病の教育方法は知識の提供のみがプログラム化され情意面への援助は個人によって異なっていたが,改訂後のプログラムでは自己効力を高める援助を取り入れ,今まで不足していた情意面への介入がプログラム化され,すべての患者に質の高い糖尿病看護が提供されるようになった.
Copyright © 2004, Japan Academy of Diabetes Education and Nursing. All rights reserved.