書評
糖尿病に強くなる!—療養指導のエキスパートを目指して
森谷 敏夫
1
1京大大学院・応用生理学
pp.176
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206358
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療養支援のノウ・ハウが,ぎっしり満載!
このユニークで,しかもほぼ全ての糖尿病療養指導に必要な項目が網羅されている本を編集された桝田出先生とは,京都大学附属病院第二内科で当時の主任教授をされていた中尾一和先生のもとで運動療法に関する共同研究を開始した時からのお付き合いである.もう,30年近くになる.桝田先生は心臓循環器系のエキスパートで,その手腕を買われて東京慈恵会医科大学から京大第二内科に来られた経緯がある.その後は民間のJT専売病院を経て,現在は,武田病院健診センター所長としてご活躍である.基礎研究,臨床応用,健診業務など実に幅広い経験を持たれた先生であり,現場のニーズを肌で感じ,この素晴らしい本ができあがった背景もそこにあるだろう.執筆を担当された先生方も京大医学部の専門医をはじめ,糖尿病療養指導に直接かかわっておられる先生方で構成されている.
本書は,「Ⅰ.糖尿病の基礎知識」「Ⅱ.糖尿病の症状と治療」「Ⅲ.セルフケアを支援するための療養指導」そして「Ⅳ.合併症・併存疾患とそのケア」の4章から成っている.どの章も一貫して最新の知見が見やすい図表などで説明されており,ツボを押さえたコラムも散りばめられており,一口メモ(NOTE)と相まって絶妙なコンビネーションとなっている.糖尿病患者が無理なく継続的に療養生活を送れるよう支援するためのノウ・ハウが,ぎっしり満載されている必読の書である.
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