Japanese
English
【調査報告】
国際糖尿病キャンプのわが国の参加者に対する効果
Effect of International Diabetes Camp for Japanese Participants
中村 慶子
1
,
伊藤 卓夫
2
,
梅田 英子
1
,
大野 珠実
1
,
貴田 嘉一
2
Keiko Nakamura
1
,
Takuo Ito
2
,
Eiko Umeda
1
,
Tamami Ohno
1
,
Kaich Kida
2
1愛媛大学医学部看護学科
2愛媛大学医学部小児科
1Faculty of Health Science, Ehime University School of Medicine
2Department of Pediatric, Ehime University School of Medicine
キーワード:
インスリン依存型糖尿病
,
国際糖尿病キャンプ
,
対人行動のパーソナリティ
,
自己管理
Keyword:
インスリン依存型糖尿病
,
国際糖尿病キャンプ
,
対人行動のパーソナリティ
,
自己管理
pp.97-103
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
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小児のインスリン依存型糖尿病(insulin dependent diabetes mellitus: IDDM)患者の患者教育の機会として実施されている糖尿病キャンプはその有用性が高く,現在では世界各地で実施されている.しかし,その教育的効果についての評価方法や客観的な評価基準はまだ示されていない.筆者らは1989年に日本で環太平洋地域の8か国の参加で第1回国際糖尿病キャンプを開催し,その後,ハワイとオーストラリアで4回のキャンプを継続している.国際キャンプでは,参加したさまざまな国や地域の同じ疾患をもって生活する者どうしの交流,新しい生活体験から,糖尿病自己管理の方法,キャンプ運営の方法やリーダーとしての役割などを学ぶことが期待される.この国際糖尿病キャンプの教育的効果を明らかにする目的で,第3回国際糖尿病キャンプに参加したIDDM患者23名を対象に,国際キャンプの教育的効果について,キャンプ参加前とキャンプ後に,質問紙による調査を実施した.調査項目は,1)対人行動のパーソナリティ尺度の変化(社交性,自己顕示性,リーダーシップ尺度),2)キャンプ後の生活,HbA1c値の変化,3)リーダーとしての地元キャンプの活動である.コントロール群は,第4回国際糖尿病キャンプ開催が延期されたためにキャンプ非参加者となった10名である.その結果,国際糖尿病キャンプの教育的な効果として,わが国からの参加者に,積極的な対人行動パソナリティー尺度の変化がみられ,HbA1c値の改善が確認できた.また,地元キャンプでのリーダー活動の変容が確認され,患者教育における国際キャンプの教育的有用性が示唆された.
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