Japanese
English
【調査報告】
インスリン依存型糖尿病患者の自尊感情と糖尿病コントロールの関係
The Relationship between Self-Esteem and Diabetes Control in IDDM Patients
河口 てる子
1
,
伊達 久美子
1
,
吉谷 優子
1
,
丸山 博
2
,
川田 智恵子
3
Teruko Kawaguchi
1
,
Kumiko Date
1
,
Yuko Yositani
1
,
Hiroshi Maruyama
2
,
Chieko Kawata
3
1大阪大学医学部保健学科
2松戸クリニック
3岡山大学医療技術短期大学部
1School of Allied Health Sciences, Faculty of Medicine, Osaka University
2Matudo Clinic
3School of Health Sciences, Okayama University
キーワード:
インスリン依存型糖尿病
,
自尊感情
,
糖尿病コントロール
,
自尊感情尺度
,
思春期
Keyword:
インスリン依存型糖尿病
,
自尊感情
,
糖尿病コントロール
,
自尊感情尺度
,
思春期
pp.104-110
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
自尊感情は自己概念に伴う価値的な感情であり,自己をどれだけ価値のある,尊敬される人間としてみているかの評価である.インスリン依存型糖尿病の患者では,糖尿病治療にかかわる種々の要因により,これらに問題が起こり,それらが糖尿病コントロールを低下させている可能性が大きいといわれている.本研究では,思春期・青年前期のインスリン依存型糖尿病患者の糖尿病コントロール状態と自尊感情の関係を明らかにすることを目的としている.対象者は,都内A医科大学小児科糖尿病クリニックに通院する12~19歳のインスリン依存型糖尿病患者52名であり,質問紙による郵送調査を実施した.自尊感情はクーパースミスのSEIを使用し,糖尿病コントロール状態はHbA1cを指標とした.糖尿病自己管理行動項目は,5段階の順序尺度を用意した.その結果,自尊感情とHbA1cでは弱い負の相関(r=-.25)があり,また下位尺度「総合自己」,「学校-学業」の自尊感情の高いものほど,HbA1cが低く糖尿病コントロール状態がよかった.いずれの尺度も男子のほうが強い関係を示した(r=-.44,r=-.40,r=-.43).下位尺度「家庭-両親」とHbA1cでは,男子にかなりの負の相関(r=-.44)が認められたが,女子にはなかった.
Copyright © 1997, Japan Academy of Diabetes Education and Nursing. All rights reserved.