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1 .はじめに
医療・看護だけでなく、看護学生の教育に携わっている人々にも多くの困難をもたらしたCOVID-19に終焉の気配はまだ感じられない。感染による症状や予後については、ワクチン接種の拡大や治療法の改善などでその脅威は次第に収まってきているように感じられる。しかし、開催時期が第6波終盤の時期に重なった本学会の第15回年次大会には大きな影響を与えた。その一つは、学会員の大会への参加割合が約3割に留まったことである。そもそも大会テーマや企画に魅力がなかった可能性もあるが、参加者への十分な感染対策の上で臨んだ現地開催のこの大会は、2日間とも会場が閑散としていた。会場内を巡ると、会場によっては実行委員や運営の手伝いをしてくれた学生などの関係者の方が多いところもあった。現地参加に伴う感染リスクを心配する参加者には、講演や演題発表等のライブ配信ならびに後日のオンデマンド配信によるリモート参加の道も準備したが、こちらも予想を下回る参加者数しか得られなかった。
年次大会そのものは、大会長講演、基調講演、シンポジウム、市民公開講座、そして5テーマの教育講演を準備し、30演題の口述発表と24演題のポスター発表、さらには10テーマの交流集会を2日間の会期で行った。現地での参加者からは、3年振りの研究仲間との再会や「ナマ」で参加・聴講できる講演やシンポジウムを喜ぶ声が聞かれた。看護系学会の多くがまだ学術集会をweb開催に制限する中で、敢えて現地開催とそのライブ配信/オンデマンド配信というハイブリッド大会に挑んだが、会員ならびに臨床現場でさまざまな困難に向き合っている看護職にこの思いは十分に届かなかったようである。会員の年次大会への参加意欲やとらえ方などに変化が生じているのかも知れない。学会の主要事業の一つである年次大会の今後のあり方について、会員からの要望をしっかりと受け止めながら、これからもまだ続くであろうコロナ禍での開催において、一人でも多くの会員が参加できる、参加したいと思える大会となるように慎重な検討が必要であろう。
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