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日本看護倫理学会第11回年次大会 シンポジウム
社会変革に向けて行動する看護
Nurses in action leading force for social change
川原 由佳里
1
,
田中 美恵子
2
1日本赤十字看護大学
2東京女子医科大学看護学部
pp.111-113
発行日 2019年3月20日
Published Date 2019/3/20
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- Abstract 文献概要
これまで看護は人々の健康やよりよい暮らしに向けてケアの提供に努力してきたが、当然のことながら個人への関わりだけでは解決しない問題もある。これらのケースでは、社会や制度のひずみが色濃く反映されていながら、当事者そのものが社会的に抑圧され、声を発することができない場合もある。本シンポジウムでは、人々の健康に影響を及ぼしている社会や制度を視野に入れながら、看護職がどのように人々の擁護者となり、社会変革に向けて行動できるのか、またそのために必要な看護職の自己改革について考えることをねらいとして企画した。
3名の看護師であり、活動家でもあるシンポジストとして日々の実践を語っていただいた。舩山健二氏(現・東横惠愛病院/前・新潟刑務所)からは高齢者や障がいを抱えた受刑者が多く収容されている現状が示され、受刑者個人に寄り添う、応答することにとどまらず、社会的排除がない、真の共生社会の実現に向けたPandA(PはProtection、AはAdvocacy)ナースの活動が、稲垣絹代氏(名桜大学名誉教授/いのちを守るナイチンゲールと医療者と卵の会)からは唯一の地上戦となった沖縄の歴史をもとに、看護職として沖縄の人々と辺野古基地移転に関する反戦平和運動に取り組む日々が、そして玉置妙憂氏(医療法人明善会小岩榎本クリニック)からは、終末期にある人々の日々の生活に溶け込む仏教と、医療と宗教とが相補的に存在している看取りがいかに人々の救いとなっているかの実態が紹介された。
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