◆特集 経験を学ぶ—臨床作業療法教育をめぐって
大学教育と臨床実習
澤田 雄二
1
1茨城県立医療大学
pp.405-408
発行日 2000年10月15日
Published Date 2000/10/15
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はじめに
臨床実習は,作業療法教育の中で学生にとって最もインパクトのある科目の一つである.大げさに言えば学生の将来に関わるほどである.このことは学生の就職を考えるときに最も顕著に現れる.「なぜ今の領域に決めたのか?」と質問をすると,これまでの印象からではあるが,多くの学生が「臨床実習での経験から」と答える.学生が自分の将来(就職先)にとって重要な判断を下す判断材料が,臨床実習の経験の中にあるということである.このことは教育する側にとっても重要で,何がそうさせたのか明らかにすることは今後の教育を考える上でも重要と考えられる.
実際的に作業療法の経験を通して学習する臨床実習教育には,様々な要因が絡み合って行われる.教える側(大学教員,臨床実習指導者),教えられる側(学生),臨床実習の時期と期間,臨床実習指導者と学生の関係等心理的要因である.大学での教育を長年行っている筆者にとって,経験により学ぶ臨床実習教育について書くことはできない.従って大学での教育を述べながら臨床教育についても考えをまとめてみたい.
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