Japanese
English
◆研究と報告
右半球損傷に起因する構成失書の要因を併せ持った,純粋失書例に対する訓練経過
A Case Report on Pure Agraphia with Constructional Agraphia due to a Lesion in the Right Parietal Lobe
砂原 伸行
1
,
松田 崇
1
Nobuyuki Sunahara
1
,
Takashi Matsuda
1
1富山県高志リハビリテーション病院
1Toyama Prefectural Koshi Rehabilitation Hospital
キーワード:
高次神経障害
,
失書
,
治療的訓練
Keyword:
高次神経障害
,
失書
,
治療的訓練
pp.343-350
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
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- 参考文献 Reference
要旨:純粋失書に構成失書の要因を併せ持った,孤立性失書例の訓練経過を報告した.訓練開始前には,保続や新作文字などの文字要素がランダムに表出される場合が多く,訓練では自分の書いた文字に注意を向ける視覚的フィードバック,模写による運動覚を用いたフィードバックなどの書字運動における調整機能の向上を主眼とした.また漢字の書取り,模写を行う中で特定の文字の再獲得を目的とした訓練も実施した.訓練開始6カ月後保続や極端な新作文字が消失し,誤反応も仮名では実在字への置換,漢字では目標字の部分想起や形態類似反応が主となった.能力障害への対処では,仮名文字に限定した表記行動の確立や辞書などの使用がより現実的と思われた.
Copyright © 1994, Japanese Association of Occupational Therapists. All rights reserved.