Japanese
English
研究と報告
構成失書について
A Clinical Study on Constructional Agraphia in Japanese Language
太田 幸雄
1,2,3
,
古籔 修一
4
Yukio Ota
1,2,3
,
Shuichi Koyabu
4
1大阪赤十字病院
2京都大学医学部
3神戸大学医学部精神神経科
4大阪赤十字病院精神神経科
1Dept. of Psychiatry and Neurology, Osaka Red Cross Hosp.
2Dept. of Psychiatry and Neurology, Kyoto Univ.
3Dept. of Psychiatry and Neurology, Kobe Univ.
4Dept. of Psychiatry and Neurology, Osaka Red Cross Hosp.
pp.959-964
発行日 1970年11月15日
Published Date 1970/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201679
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Ⅰ.まえがき
日本語は世界の言語のうちで,もっとも他の言語との関係が確定されていない言語であり,琉球語を除くと日本語と親近性をもつ言語はないと言ってよい(築島5),Sansom19))。さて,失語などの研究は主として,ヨーロッパ語について行なわれてきたことは明らかな事実である。したがって,日本語の失語では,ヨーロッパ語のそれとまったくちがった特性がありうるといえる。この点を研究することは,一面では日本語の失語の特性を知ることになるが,同時にLeischner12)が井村8)の「失語の日本語における特性」についての研究に対して,「外国語の法則を研究することが自国語の失語研究に有効であることを日本語が示した」といっているように,日本語の失語についての研究が,逆に失語の基本的問題の解明に大きく役立つという利点もある。
さて,日本語の特殊性の一つとしては文字言語のそれがある。すなわち,漢字と両仮名がともに使用されていることであるが,この点はとくに注目をあび,井村8),秋元2)3),浅山4),阪本18),木村9)など先人の業績も多い。
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