Japanese
English
◆研究と報告
作業療法過程にみられるダブル・バインド—主体性を損なわない関わりを求めて
Double Bind in Occupational Therapy
山根 寛
1
Yamane Hiroshi
1
1京都大学医療技術短期大学部
1College of Medical Technology, Kyoto University
キーワード:
基礎研究
,
作業療法士
,
治療関係
Keyword:
基礎研究
,
作業療法士
,
治療関係
pp.296-302
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
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要旨:ダブル・バインド状況には回避すべきものと対象者の自我形成の課題として取り組むべきものとがあるが,自我の脆弱な精神分裂病者にとっては,弊害の方が大きい場合がある.本稿では,作業療法過程におけるダブル・バインド構造を分析し,人的要因が引き起こすダブル・バインドを少なくし,作業活動が本質的に持っているダブル・バインドの生かし方について検討した.特に具体的な過程や結果を有する作業療法の特徴が,保護(有能感の保障)と現実検討という相矛盾する要素を持つために生じるダブル・バインド状況において,対象者の有能感を崩さずに,現実検討の援助を行う作業療法手段を,病的退行状態からの回復過程にそって示した.
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