今月の主題 ウイルス肝炎1990
ウイルス肝炎の特殊治療
劇症肝炎の特殊療法
杉原 潤一
1
,
村上 啓雄
1
1岐阜大学医学部・第1内科
pp.1546-1549
発行日 1990年9月10日
Published Date 1990/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909586
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
劇症肝炎は,急激かつ広範な肝細胞壊死あるいは高度な肝機能低下に基づいて,肝性昏睡を主徴とする肝不全症状が出現する肝炎である.本症の生存率は1987年度の全国集計1)でも16.2%と低く,肝移植をはじめさらに新しい治療法の開発・導入が望まれている.
本症の治療にあたってはは肝炎の劇症化を予知し,速やかに予防対策を講ずることが肝要である.多臓器不全の病態を呈することから,常に全身状態の観察を行い,早期の治療対策が重要である2).したがって,本症の治療としてはは特殊療法とともに全身管理・合併症対策が基本となる.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.