隣接領域から
脊髄損傷の看護―特に頸髄損傷者の日常生活動作看護指導
立谷 時
1
,
生西 ヱミ
1
,
藤崎 チヨ子
1
,
寺西 フミ
1
,
飯塚 綿子
1
,
宮原 千浪
1
1国立箱根療養所
pp.145-149
発行日 1971年4月9日
Published Date 1971/4/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100421
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はじめに
頸髄損傷は同じ脊髄損傷のなかでも,胸髄や腰髄損傷にはみられない特殊性がある.その1つは第4頸髄髄節およびそれ以上の完全損傷の場合には呼吸停止によって多くは死を免れないこと,たとえ第5頸髄髄節以下の損傷でも呼吸筋のマヒを伴い,呼吸管理,気道確保,呼吸訓練など全身管理が必要となってくることである.第2の特徴は運動知覚の障害が単に下肢躯幹にとどまらず上肢にも認められることである.上肢,手,指の機能を失うことは食餌,洗面など人間の基本的動作ができなくなることであり,看護上,最も‘手のかかる’状態となる.
私たちはこのような頸髄損傷の患者に対し,特に日常生活動作の看護指導法について,現在箱根療養所で行なっている2,3の実際を紹介し,参考に供したいと思う.
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