Japanese
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教育講座
脳卒中の予後予測に関する現状と課題
Current Issues in Stroke Prediction
佐々木 信幸
1
Nobuyuki Sasaki
1
1聖マリアンナ医科大学リハビリテーション医学講座
キーワード:
脳卒中
,
予後予測
,
麻痺
,
MRI
,
CT
Keyword:
脳卒中
,
予後予測
,
麻痺
,
MRI
,
CT
pp.222-229
発行日 2023年3月18日
Published Date 2023/3/18
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- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
はじめに
予後予測ができなければ具体的な治療計画の決定は非常に困難である.これは医療提供側だけの問題ではなく,患者やその家族の人生計画,社会の経済活動計画にもかかわる.病院,地域,国といった集団にとっても,効率的により多くの患者を救うためには限りある医療リソースを適切に振り分ける必要があり,そのうえで重要な根拠となるのが予後予測である.
脳卒中は転院を含めた長期的治療計画が必要となりやすいため,この予後予測の重要性は特に高い.しかし,既存の予後予測の精度,信頼性は必ずしも高くなく,脳卒中治療ガイドラインにおいても,予後予測に基づいて急性期リハビリテーションプログラムを計画することが強く推奨されている一方で,その活用には注意が必要とされている1).
一般的に予測時期が早ければ精度は下がり,遅ければ予測の意義が薄れる.そしてもう一点重要なのは,用いる情報の入手方法である.特殊かつ高額な検査,膨大な手間のかかる評価などが必要ならば,その予後予測の実現可能性は低くなる.つまり,めざすべき究極の予後予測とは,発症後早期に,安価かつ容易に入手できる情報で,正確な予測を可能にするといったものである.
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