Japanese
English
教育講座
リハビリテーション医学・医療の対象となる慢性痛
Chronic Pain is a Target of Rehabilitation Medicine
矢吹 省司
1
Shoji Yabuki
1
1福島県立医科大学保健科学部理学療法学科
キーワード:
慢性痛
,
リハビリテーション医学・医療
,
運動療法
,
集学的アプローチ
,
チーム医療
Keyword:
慢性痛
,
リハビリテーション医学・医療
,
運動療法
,
集学的アプローチ
,
チーム医療
pp.1036-1039
発行日 2022年10月18日
Published Date 2022/10/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
2020年に,国際疼痛学会(IASP)から痛みの定義の改訂版が出された1).その和訳を日本疼痛学会が行い,痛みとは「実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する,あるいはそれに似た,感覚かつ情動の不快な体験」とした2).これからわかることは,①組織損傷はあってもなくてもよい,②感覚としての不快な体験であり,かつ情動としての不快な体験,が痛みであるということである.不快でなければ痛みとはいえない.
痛みは「急性痛」と「慢性痛」に分類される3).急性痛は,原因が明確で発症から3カ月以内に創傷修復に伴って基本的に改善する痛みであり,生体に生じた異常を知らせる警報システムである.一方慢性痛は,3カ月以上続く痛みであり,痛みの原因となる外傷や疾患が治癒した後にも長期間持続するものであり,有害な痛みとして捉えることができる.
Copyright © 2022, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.