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教育講座
難治性慢性疼痛患者のリハビリテーション診療
Rehabilitation Medicine for Patients with Intractable Chronic Pain
矢吹 省司
1
Shoji Yabuki
1
1福島県立医科大学医学部整形外科学講座・疼痛医学講座
キーワード:
慢性疼痛
,
難治性疼痛
,
リハビリテーション医療
,
運動療法
,
集学的アプローチ
Keyword:
慢性疼痛
,
難治性疼痛
,
リハビリテーション医療
,
運動療法
,
集学的アプローチ
pp.186-191
発行日 2021年2月18日
Published Date 2021/2/18
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はじめに
2020年に国際疼痛学会(International Association for the Study of Pain:IASP)から痛みの定義の改訂版が出された1).その和訳を日本疼痛学会が行い,「実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する,あるいはそれに似た,感覚かつ情動の不快な体験」とした(図1)2).これからわかることは,①組織損傷はあってもなくてもよい,②感覚としての不快な体験であり,かつ情動としての不快な体験,が痛みであるということである.不快でなければ痛みとはいえない.
痛みは「急性痛」と「慢性疼痛」に分類される.慢性疼痛は,痛みの原因となる外傷や疾患が治癒した後にも長期間持続するものであり,有害な痛みとして捉えることができる.では,「難治性疼痛」とはどんなものをいうのか.明確な定義はないが,どんな治療を行っても痛みの改善が得られない場合に使用されることが多い.
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