連載 リハビリテーション医学研究のこれから
経頭蓋交流刺激のリハビリテーションへの応用/宇宙医学を軸にした児童教育
田代 祥一
1
,
山田 深
1
1杏林大学医学部リハビリテーション医学教室
pp.936-938
発行日 2022年9月18日
Published Date 2022/9/18
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経頭蓋交流刺激のリハビリテーションへの応用
1.はじめに
リハビリテーション効果を増強させる方略として,非侵襲的脳刺激(non-invasive brain stimulation:NIBS)が応用されて久しい.経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation:TMS)や経頭蓋直流刺激(transcranial direct current stimulation:tDCS)には多くの研究の積み重ねがあるが,一般化しているとは言い難い.安価なtDCSは広く普及する可能性を秘めていると思われるものの,効果のばらつきの大きさから十分なエビデンスを確立し得ておらず,それは広範囲の刺激領野において神経細胞の興奮性を一様に増減させる非特異的な機序に由来するとも考えられている1).近年,同じ装置による似た治療法として,脳活動の指向性を機能本位的に修飾できる経頭蓋交流電気刺激(transcranial alternating current stimulation:tACS)が注目を集めている.
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