巻頭言
中途障害者のリハビリテーション支援
佐伯 覚
1
1産業医科大学リハビリテーション医学講座
pp.968
発行日 2021年9月18日
Published Date 2021/9/18
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- 文献概要
中途障害者とは,先天障害者とは異なり,脳卒中・脳外傷,脊髄損傷,難病などで,人生の途中で障害を被った方を指します.会社員,主婦や学生として今まで健常者として生活を営んでいたのに,ある日突然,障害者として身体のみならず精神的・経済的にも大きな試練に立ち向かうことになります.その中で社会復帰を支援するのがリハビリテーション支援です.復職や復学など社会復帰を目標に,リハビリテーション治療に加えて職業リハビリテーション機関との連携やさまざまな支援を行います.
ここ5年ほどの間に就労支援に関する制度が整備されつつあります.長年,医療の立場で就労支援に取り組んできた私にとっては,本格的に行政が制度的介入を開始したのは大きな驚きでした.従来,復職など雇用の問題は,企業と労働者の雇用契約に基づき,行政は民事不介入の立場を取っていたのですから.
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