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特集 脳卒中後の上肢機能障害に対するリハビリテーション治療
4 脳卒中後上肢機能障害における非侵襲的中枢神経刺激療法(rTMS,tDCS)の効果と至適刺激条件—近年のメタ解析より
Therapeutic Transcranial Brain Stimulation for Upper Extremity Dysfunction after Stroke
小金丸 聡子
1
Satoko Koganemaru
1
1獨協医科大学生理学講座
キーワード:
経頭蓋磁気刺激
,
経頭蓋直流電流刺激
,
脳卒中
,
片麻痺
,
上肢運動機能
Keyword:
経頭蓋磁気刺激
,
経頭蓋直流電流刺激
,
脳卒中
,
片麻痺
,
上肢運動機能
pp.792-798
発行日 2020年9月18日
Published Date 2020/9/18
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- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
要旨 脳血管障害における上肢機能障害の治療法の1つとして,非侵襲的中枢神経刺激療法がある.代表的なものは反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS),経頭蓋直流電流刺激法(tDCS)である.rTMS,tDCSの治療原理は半球間抑制の不均衡の是正であり,患側1次運動野(M1)への促通刺激と健側M1への抑制刺激が用いられる.近年のメタ解析では,運動機能改善にrTMSの有意性は認められたが,tDCSの有効性は認められなかった.rTMSでは,発症時期が30日以内,皮質下病変である場合がより効果的であった.一方,tDCSは上肢巧緻運動機能に限れば有意な効果が認められ,特にリハビリテーション治療との併用刺激が有効であった.これらの刺激条件を考慮しながら中枢刺激療法を施行することが肝要である.
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