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令和2年度リハビリテーション医療に関連する診療報酬改定について 第2回 回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟
日本リハビリテーション医学会社会保障・障がい者福祉委員会
pp.668-672
発行日 2020年7月17日
Published Date 2020/7/17
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回復期リハビリテーション病棟
回復期リハビリテーション病棟入院料については,入院基本料の6段階の評価体系が踏襲され,実績要件,施設基準,日常生活動作の評価に関する取扱い,入院患者に係る要件の4項目について改訂された.
1.実績要件
実績指数は入院料1が37から40以上へ,入院料3が30から35以上へと引き上げられたことで,急性期病院からの転院の早期化や,より短い入院期間でのアウトカム向上など,いっそうの効率化が求められることになる.効率化につながるさまざまな工夫が模索され,プロセスの改善が沸き起こるなど正の効果が期待される反面,Functional Independence Measure(FIM)に反映されないIADLや片麻痺上肢に対するリハビリテーション治療が軽視される,過度な患者選別が行われるなど,マイナス面の増大が懸念される.高い実績指数が求められる病棟では,FIM以外の課題を十分に解決できていないまま退院となる患者の比率が高まることが予想される.患者の特性に合わせた外来・通所・訪問リハビリテーションや障害者総合支援法による生活訓練や就労支援などの生活期リハビリテーションが,退院後円滑に開始されるような仕組みが必要となる.回復期リハビリテーション病棟は,医師主導での生活期リハビリテーションのサービスを自らがもち,院外のサービスとも十分な地域連携を構築するなど,フォローアップ体制を充実させることが求められる.
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