巻頭言
私とリハビリテーション医学
牧田 茂
1
1埼玉医科大学国際医療センター心臓リハビリテーション科
pp.966
発行日 2019年12月18日
Published Date 2019/12/18
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- 文献概要
もともとリハビリテーション医学と縁がなかった私であるが,なぜかかわりをもつようになったのか遡ってみたい.昭和58(1983)年に新潟大学医学部を卒業して,当時地域医療で有名だった京都西陣の堀川病院に就職した.200床に満たない一般病院であったが,ここで救急医療から外来・往診まで内科医として幅広く第一線の医療を経験した.非常に多忙な毎日であったが,結局14年間堀川病院に勤務した.この診療スタイルや考え方はその後の臨床医としての私の財産となっている.
同時に学生時代からスポーツ医学に興味があり,ボート部に入りボートを年中漕いでいたことから,体を動かすこと(身体活動や運動)は人間にとって根源的なことであり,よいことであるはずだと信じていた.黒田善雄東京大学名誉教授のご推薦で昭和62(1987)年にケルンにあるドイツ体育大学循環器・スポーツ医学研究所に留学することができた.そこで,心臓病患者の集団スポーツ運動療法を実体験して,スポーツ医学を臨床応用する道を探し当てることができた.京都大学第3内科(現・京都大学大学院医学研究科循環器内科)が心臓病患者に対してスポーツを応用した運動療法をわが国で初めて開始したばかりであった.帰国して,さっそく京都大学第3内科の研究生にしていただき,神原啓文先生(現・静清リハビリテーション病院名誉院長)と野原隆司先生(現・枚方公済病院院長)のご指導の下で8年間あまり心臓リハビリテーションの臨床研究を行った.その後,赴任した医仁会武田総合病院は,当時すべてにおいて心臓リハビリテーションを行うのに最適な医療機関であった.
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