特集 リハビリテーション看護を見直そう
私たちにできるリハビリテーション—一般病棟でのリハビリテーション看護
田中 靖代
1
1豊橋市民病院桜ヶ岡分院
pp.555-558
発行日 1990年6月1日
Published Date 1990/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900142
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一体化しているリハビリテーションと看護
リハビリテーションとは,単に機能障害の回復を求めるだけでなく,本来は名誉,資格の回復,あるいは権利の獲得など,人間らしい生活の復元という意味です.つまりリハビリテーション(以下,リハと略す)は,手足の機能訓練という部分的なものでなく全人的な回復を言い,人間らしい生き方の復元を図ることなのです.“その人らしい生活を守る”あるいは“患者の主体的な生活を支える”ことは,リハの概念であると共に,実は私たちの求める看護の目的ではないでしょうか.
例えば,呼吸困難の強い患者にも,その状態から少しでもリハビリテートするための看護があり,決してその時の対応だけではないはずです.また,臥床生活の長かった患者が次週からの離床許可を得た場合,私たちは歩行に備えて坐位をとり,立位の訓練,下肢の筋力アップを図るでしょうし,訓練室でリハを開始する患者には事前にベッドサイドで体力づくりが行なわれているはずです.このように,リハと看護は一体化しているものだと考えます.
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