臨床メモ
学校ぎらい—症状の初期から心身両面に配慮した取り扱いを
石橋 泰子
1
1日本心身障害児協会診療所
pp.665
発行日 1968年5月10日
Published Date 1968/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202230
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"学校へ行くのがいやだ,なぜなら……"と子どもが表明するならば,問題は医師を訪れるまでもなく解決するであろう。"学校へは行きたくない,その理由はいうにいえない"悩みをかかえた子どもがやがて医師の対象となる。病名は学校恐怖症あるいは登校拒否症。
内気小心,依存性が強く,社会適応能力が弱い子ども,勝気,わがまま,顕輝欲が強く,要求が受けいれられなかつたり,ちよつとした失敗にも挫折感を強く感ずる子どもなどが,親の要求過剰,勉強の強制,家庭内の不安な問題,教師あるいは友だち関係の摩擦などに出会つたとき小児神経症あるいはヒステリーの心理的機制で発症する。(なかには精神分裂病の初期症状として現われることもあるが,これは思春期に多く,自閉・幻覚・妄想などを伴う)。
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