Japanese
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教育講座
超高齢者の独歩退院をめざす病院づくり
A Project for Discharge of Super-elderly Patients from Hospital on the Basis of Their Independent Gait
和泉 徹
1,3
,
上原 彰史
1
,
和泉 由貴
1
,
鈴木 順夫
1
,
小幡 裕明
2
Tohru Izumi
1,3
,
Akifumi Uehara
1
,
Yuki Izumi
1
,
Yorio Suzuki
1
,
Hiroaki Obata
2
1恒仁会新潟南病院
2新潟大学大学院循環器内科学
3北里大学
キーワード:
少子・超高齢社会
,
フレイル
,
独立歩行
,
心臓リハビリテーション
,
DOPPOプロジェクト
Keyword:
少子・超高齢社会
,
フレイル
,
独立歩行
,
心臓リハビリテーション
,
DOPPOプロジェクト
pp.392-400
発行日 2016年5月18日
Published Date 2016/5/18
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- 参考文献 Reference
はじめに
わが国は世界のトップをきって人類の宿命的課題,少子・高齢社会の渦中にある.しかも,適切な対応策が打ち出せずに混迷している.
2005年の総人口1億2,800万人をピークにわが国は人口減少が続いており,現在,毎年30万人都市が1つずつ消滅するスピードとサイズでことは進行している.そのうえ,徐々にしかも着実に加速する.向こう50年間は,常に日本人を悩ますことであろう.さらに人口の高齢化,少子化も一段と厳しさを増してきた.具体的には,2005年では100歳以上が2.5万人,75歳以上が9%,65〜74歳が11%(つまり高齢化比率20%),14歳以下人口14%であったものが,2030年には100歳以上が27万人,75歳以上が20%,65〜74歳が12%(同32%),14歳以下人口が10%になり,2055年には,100歳以上が63万人,75歳以上が27%,65〜74歳が14%(同41%),14歳以下人口が8%へ減少すると見積もられている(図1)1).その先の将来は急速な人口減少の調整段階を終え,穏やかな右肩下がりを描きながら22世紀を迎えることとなる.つまり,日本社会の向こう100年の活力は,ここ30年の急激な少子・高齢,否少子・超高齢化問題への適切な対応,すなわち人口オーナス現象へのよい具体策のありなしで決まってくる.これは社会保障問題と深く関わっており,わが国の医学・医療界はこの重い課題にいかなる学術的正答を導き出し,具体的な行動へと転化できるかが終始問われてきた.
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