文豪と死
国木田 独歩
長谷川 泉
1
1医学書院
pp.782
発行日 1976年10月1日
Published Date 1976/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201188
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国木田独歩(1871〜1908)は,自然主義に影響を与えた作家である.麻布に竜土軒というフランス料理店があったが,そこでのつどいにちなんで竜土会という,一種の文学サロンを作ったのも独歩であった.そこに集まったのは柳田国男や,田山花袋,島崎藤村,及び岡田三郎助,和田英作らの画家であった.竜土会の発足は明治37年(1904)であった.自然主義が本格的に文壇に認められるようになったのは藤村の「破戒」が出された明治39年(1906)からである.
独歩は最初は詩人として文学的出発をした.「抒情詩」に収められた「独歩吟」に「山林に自由存す」という詩がある.その冒頭に,独歩はうたった.
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