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教育講座
認知症研究の最新動向
Recent Advances in Dementia Research
西澤 正豊
1
Masatoyo Nishizawa
1
1新潟大学脳研究所神経内科
キーワード:
アルツハイマー病
,
バイオマーカー
,
早期診断
,
治療
,
予防
Keyword:
アルツハイマー病
,
バイオマーカー
,
早期診断
,
治療
,
予防
pp.152-157
発行日 2016年2月18日
Published Date 2016/2/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
はじめに
わが国の認知症者数は,最近の見直しによればすでに462万人を超え,軽度認知障害(mild cognitive impairment,以下MCI)と呼ばれる予備軍約400万人を合わせれば,800万人を上回ると推計されている(図1).世界に例のない超高齢社会が進行しているわが国では,総人口の減少にもかかわらず,認知症者数は今後もさらに増加するとみなされており,認知症対策は喫緊の課題である.認知症者数は,欧州ではすでに減少に転じているという報告もあるが,アジアや南米などでは,今後も大きく増加すると予想されている.
認知症の原因疾患としては,わが国では従来,脳血管性認知症が多いとされてきたが,1990年頃からは欧米と同様にアルツハイマー病(Alzheimer's disease,以下AD)の頻度が最も高くなり,現在も全体の約2/3を占めている.そこで以下の小論では,対象をADに絞って述べることとする.
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