第48回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/千葉 《パネルディスカッション》地域連携パスの有効性―座長/畑野 栄治
当院における地域連携と脳卒中・大腿骨頸部骨折の地域連携パス
大野 重雄
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1小倉リハビリテーション病院
pp.130-136
発行日 2012年3月18日
Published Date 2012/3/18
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はじめに
我が国では,急速に進む少子高齢化に対して,医療・介護・福祉の提供体制の見直しが加速している.都道府県の医療計画のなかで,急性期から回復期,在宅療養に至るまで,地域全体で切れ目なく必要な医療が提供される「地域完結型医療」が推進されている.急性期の医療は高度な急性期医学モデルに機能分化を加速しており,その一方で維持期(生活期)の医療は,従来の医学モデルから,保険,医療,介護,福祉を統合した地域包括ケアの政策に代表されるように,健康に関する概念自体が在宅生活や生活の質(QOL)を重視した,いわゆる生活モデルに誘導されシフトしていくことが予想される1).このような二極化が今後進むなかで,リハビリテーション(以下,リハ)提供体制は,急性期リハ,回復期リハ,維持期(生活期)リハに区分され,病期に応じた整備が進みつつある.地域連携システムの構築のためには,それぞれのステージにおける機能と役割が異なることを互いに認識しつつも,目的を共有する必要性がある.このような地域連携のための1つのツールとして地域連携パスがあり,政策の誘導もあり,その開発と普及が急速に進んでいる.
今回,小倉リハビリテーション病院(以下,当院)における地域連携の現状を中心に,4つの視点(当院連携の視点,データベースの視点,Face to Faceの連携の視点,地域包括ケアの視点)から脳卒中・大腿骨頸部骨折の地域連携パスに関して述べたい.
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