第46回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/静岡 《会長講演》
リハビリテーション医学―夢と希望への挑戦
木村 彰男
1,2
1第46回日本リハビリテーション医学会
2慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
pp.749-752
発行日 2009年12月18日
Published Date 2009/12/18
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はじめに
1万人に近い会員を擁する医学会に発展した我が日本リハビリテーション医学会であるが,私がリハビリテーション(以下,リハ)医学を志した1974年は,まだリハ医学そのものの存在が知られていない時代であった.当時の脳卒中を例にとれば,救命救急,診断,その後の全身管理などに主体がおかれ,リハについては系統だって行われることがなかった時代といえる.ただリハ医学を目指す誰もが一致していたことは,患者にとっては診断ももちろん大切であるが,不幸にして抱えてしまった障害をどのように克服してゆくかということ,すなわち疾患そのものとともに障害に対する治療が一番重要な課題であるという認識であった.
治療がリハ医学において如何に重要であるかは,有名なKrusenの教科書にある「リハビリテーション医学(Physical Medicine and Rehabilitation)」のRehabilitationに関する定義1)を見ても明らかであり,古くから積極的に治療への新たなアプローチが試みられている.一方,Physical Medicineの定義の中には,電気が治療手段として重要であることが明記されており(表),リハ医学において,電気生理学は必要不可欠の分野とされている.
今回の学術集会では,今後のリハ医学の更なる発展を目指して,メインテーマを「リハビリテーション医学―夢と希望への挑戦―」としたが,本会長講演では,私のリハ医学における歩みに関して,特に電気生理学を中心に振り返りながら,今後の同分野における発展の可能性について言及したい.
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