- 販売していません
- 文献概要
リハビリテーション医学・医療は人を支える学問・技術として,時代を経てもその普遍性は変わりません.加えてわれわれは発想に富んだ多様な試みや研究をためらいなくポジティヴに進めることができます.なぜなら,リハビリテーション技術はほとんどが著しく侵襲的なものではないため適用しやすく,医師やリハビリテーション専門職などの多職種や地域や職場からのアイデアが得られ,うまくいけば患者さんの自己達成感が得られて結果がすぐに出るなどの有利な点があるからです.これらの知見は広く公開され,科学的根拠に基づいて批判・評価され,追試されてしっかりと洗練される必要があります.適正な検証過程を経ることで,知見は真に科学的なものとなり,さらに多様な病態や障害に臨機応変に対応することができます.誰でも工夫できて,誰でも参加できて,きちんと知れば知るほど面白い.そして喜びもあるというのがリハビリテーション医学・医療だと思います.本学会は常にその是非を問い,本当に効果のある技術はできるだけ一般に広く普及できるシステムづくりをしていただいています.つい最近まで,リハビリテーション医療に関する医療機器は物理療法用の機器がほとんどでした.2020年の診療報酬改定にあわせて特定診療報酬算定医療機器が再定義されましたが,まずはこれが第一歩,これからどのようにこの仕組みが活用されていくかが課題になると思います.
令和という時代になって,グローバル化はさらに進み,先端的テクノロジーに関するさまざまな情報・コンテンツを容易に手にすることができるようになりました.開発者にとっては新規性や有効性が価値ですが,実際に使いたい治療者としては,目の前の患者さんに適応できるものなのか,どうしたら使えるのかということではないでしょうか.
Copyright © 2020, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.