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はじめに
2001年に開始されたBone and Joint Decade(運動器の10年)では,その4つの大きなテーマの中に脊椎疾患が掲げられており,前向き,後ろ向き研究を含めて多数のプロジェクトが立ち上がり,その成果も報告されてきている.
運動器の診断,治療に関して,整形外科領域とリハビリテーション(以下,リハ)領域は長年に亘りまさに車の両輪のような役割を果たしてきた.一方,リハ学自体の概念の発展と変化,扱う疾患の多様化,疾患ごとの係わり方の変化,方法の変化などが生じ,同時に整形外科学からみたリハのとらえ方の変化や要望の変化が現れ,両者の係わり方は新しい時代を迎えつつある.
脊椎脊髄外科においては,画像診断技術,電気診断技術の進歩,顕微鏡下手術,内視鏡下手術の導入,インストウルメンテーションの普及などにより,術前の責任病巣の特定化,より小さな術野展開,脊椎脊髄への侵襲性の減少,合理的な除圧と固定性の担保がなされ,その結果術後のリハ期間の短縮化が図られてきた.さらに脊椎脊髄疾患治療に対するガイドラインの策定の結果(図1),術後の安静期間,保存的治療などリハが大きく関与する部分に関して従来の治療法が検証された.また,大学病院や市中病院へのDPCの導入が在院日数や,術後回復期スケジュールの短縮化を促進し,術後リハスケジュールの改変に拍車がかかる結果となった.
本稿では,1)自験例からみた術後リハの変化,2)ガイドラインからみた術前後のリハの検証,3)リハスタッフに関心をよせてほしい脊椎脊髄外科領域の新しい知見,4)リハに強く求めたい対応項目,5)脊椎脊髄外科手術とリハの今後のあり方に関して記載し,それぞれについて論述する.
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