行動医学・2
行動医学的アプローチ
篠田 知璋
1
1聖路加国際病院内科
pp.689-692
発行日 1983年6月1日
Published Date 1983/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922982
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行動医学の実践とは病気のつくられた患者の生活を知ること
前回に述べたように,‘病む人間’の総合的把握と,その人間的取り扱いのために,医療だけでなく心理学・社会学・人間学・哲学・生態学・行動科学などの多面的な学問的アプローチを行うことを行動医学と呼ぶわけだが,この学問を臨床で実践するための技法や,われわれの心構えについて,今月から順を追って述べていく.
‘病気や疾患は生活の中でつくられる’のであるから,まずその人の生い立ち,生き様から,人間像の全体をとらえ,次いでどのような生活状況から疾病が発生したのかを知る努力をする.そして,その人のもつ疾患には,従来からの医学に基づく治療を行うとともに,病気や疾患につながるその人特有の性格,行動様式,悪習慣の分析を行い,これらを改善する努力をして,病気であれば疾患に至らないように予防し,疾患であれば二度と繰り返させない方向づくりをする.
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