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はじめに
診断群分類とは,医療資源の必要度の均質性(在院日数と行った医療行為のコストなど)と臨床的な類似性に基づいて患者を分類する方法である.エール大学のFetter教授らによって病院サービスのアウトカム評価の目的で開発されたDRG(Diagnosis Related Group)がその最初のものである.その後,各国の医療の現状に合わせる形で種々の診断群分類が開発されている.我が国ではDPC(Diagnosis Procedure Combination,診断群分類)が開発され,現在急性期入院医療の包括評価方式の基礎として応用されている.
DPCは支払いを目的として開発されたものではなく,あくまでその目的は病院サービスのアウトカムを評価することにある.医療の第一の目的は,質の高いサービスを提供することにある.そのためには質が測定できなければならない.日進月歩の医療の世界において絶対的評価を行うことは困難であり,相対的評価が中心となる.相対的評価を行うためには比較の単位が必要であり,その単位が診断群分類なのである.
DPCに関連して収集される情報は,これまでの出来高ベースのレセプト以上に詳細な情報である.そして,それが全国共通のフォーマットで整理されることで,DPCに参加している病院は臨床の質,経営の質を高めるための具体的なツールを持つことになる.
標準化・透明化された情報に基づく病院マネージメントの改革,それがDPCの本質なのである1).本稿ではこの視点からDPCの概要を説明してみたい.
なお,ここで述べることは筆者の私見であり,筆者が所属する研究班や委員会の見解ではない.したがって,ここで述べることに関する一切の責は筆者に帰するものであることをあらかじめお断りしておく.
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