第44回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/神戸 《シンポジウム》DPC導入と(急性期)リハビリテーション医療―座長/里宇 明元・水間 正澄
大学病院におけるDPC
花山 耕三
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1東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学
pp.285-288
発行日 2008年5月18日
Published Date 2008/5/18
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はじめに
わが国の医療は,高齢化と厳しい経済情勢,医療技術の進歩,患者の要求の変化などの環境の変化より,その医療保険制度も変化を余儀なくされてきた.「質の高い医療を効率的に提供する体制の構築」を目的とする大がかりな医療制度改革が動き出したのは1997年度からであるが,その基本方針の中で診療報酬体系は包括払いの拡大と出来高払いとの区分,診療所と病院の機能分担がうたわれている1).2003年4月から全国の特定機能病院等を対象にDPC(Diagnosis Procedure Combination)を用いた包括支払い制度が導入された.DPCはあくまで分類を示すものであり,実際には包括払いの際の条件がインセンティブとしてはたらくことになる.そして政策的には医療制度改革の方針に沿ったものには手厚く,そうでないものには厳しく診療報酬が定められるはずである.
大学病院の使命は,教育,研究に結びつく診療を行うことである.そしてほとんどの大学病院は特定機能病院であり,特定機能病院は,高度の医療を実施,開発,研修するための病院であるとされている.東海大学医学部付属病院は,1997年当時年間26億円の赤字を計上していたが,病院経営の観点から長期計画に着手し新たなシステムを構築することにより経営状況は大幅に改善された.本稿では,当大学で行われた「リニューアル」とよばれる新病院建設を含めたシステム改革とそれによるリハビリテーション(以下,リハ)医療への影響について述べる.
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