リポート「現場,最前線」
失語症者に対する長期訪問言語聴覚療法の意義
丸井 美恵子
1
1いの町総合保健福祉センター
pp.178-180
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100134
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1.はじめに
高知県いの町(人口約2万8千人)では,1996年より老人保健法に基づく言語訪問指導(2006年より町単独事業)(丸井 2005),機能訓練事業「言語リハビリ教室」(2006年より自立支援法事業)(丸井 2001)および自主グループ(2001年発足の町単独事業)(丸井 2001)などの事業を通して,地域における言語聴覚療法を多面的(丸井 1998)に実施している.その1つである言語訪問指導では,地域の介護支援専門員や保健師などから,1年間に平均17人の新規対象者が紹介され,約300件の訪問言語聴覚療法を実施している.日本国内では,2006年より介護保険制度への訪問言語聴覚療法参入が可能となり,実施機関は増加しつつあると思われるが,これまではきわめて少なく(小笠原ら 2006),また長期訪問言語聴覚療法の報告はさらに少ない.そこで今回,いの町で長期(3年以上)にわたって継続訪問した失語症者を取り上げ,言語機能の改善,社会参加の経過を分析し,長期訪問言語聴覚療法の意義を探った.
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