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はじめに
「地域リハビリテーション」の活動状況を報告するうえで,ここで表す「地域リハビリテーション」とは,誰も(子どもから高齢者,障害,年齢,性別,文化にかかわらず)が住み慣れた地域で安心・安全に暮らし続けることができる体制づくりを目的に,平常時(日常)から取り組むすべての活動です。
兵庫県は1987年より,全国に先駆けて地域リハビリテーション(以下,地域リハ)の推進に向け,医療,福祉の分野や,行政機関,当事者等,さまざまな立場で議論できる兵庫県リハビリテーション協議会を設置しました。主な活動としては,県下におけるさまざまなリハビリテーションにかかわる課題への対応や政策への提言や,医療・介護分野における研修会や学会の開催等,学術活動を行ってきた経緯があります。
そのなかで,介護保険が施行された2000年に,今後,到来する少子高齢化社会において,地域における課題は山積みであり,医療・介護分野における地域リハへのニーズの増大に対応するため,「兵庫県地域リハビリテーション連携指針【全県版】」を策定し,この指針に基づき地域リハの推進拠点として,兵庫県地域リハビリテーション支援センター(以下,全県支援センター)を設置しました。
翌年からは二次医療圏域ごとに圏域(広域)リハビリテーション支援センター(以下,圏域支援センター)を指定し,兵庫県,全県支援センター,圏域支援センターの協働により事業を推進するとともに,2011年以降は,二次医療圏域ごとにある健康福祉事務所(保健所)とのパートナーシップをより明確化し,地域リハの推進に向けた体制強化を進めてきた経緯があります(図1)。
また,2015年からは県下41の市町で展開される地域包括ケアシステムの推進を支援するため,効果的な介護予防への取り組み支援が,圏域支援センターの運営要綱に追記されています。
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