特集 ケアリングコミュニティと地域リハビリテーション
実践紹介
私たちのいるところ—笑い太鼓と高次脳機能障害者のあゆみ
加藤 俊宏
1
1NPO法人高次脳機能障害者支援「笑い太鼓」
pp.322-324
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003201239
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笑い太鼓と高次脳機能障害者のあゆみ
笑い太鼓という一風変わった法人名のNPO法人が愛知県豊橋市に設立されたのは,2006年(平成18年)5月でした。その年は,障害の種類にかかわらず障害者の自立支援を目的とした共通の福祉サービスは共通の制度,障害者自立支援法によって提供されるようになった年でもあり,高次脳機能障害者が精神保健福祉手帳の対象となった年でもあります。
笑い太鼓の活動は,1998年に当事者家族の集まりから始まりました。当時,事故や病気の後の変化に戸惑うばかりの障害者とその家族は,高次脳機能障害について相談できる場所も,得られる情報もほとんどなく,周りの人たちからは理解されていないという状況の中にあって,その集まりは,当事者と家族が気楽に集まれる居場所となっていました。2000年になると若い脳外傷者を中心とした高次脳機能障害者の「通ってくる場所」「作業(仕事)をする場所」として,無認可の作業所「作業所ヤモリ」として活動を始めました。
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