連載 地域生活を支える!? スポーツ内科の基本知識・第2回
運動・スポーツの医学的効果と弊害
田中 祐貴
1
1ゆうき内科・スポーツ内科
pp.433-436
発行日 2020年1月15日
Published Date 2020/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003201139
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
小児期から青年期,壮年期,老年期に至るまで,適度な運動・スポーツ(以下,運動)には様々な医学的効果があることは周知の事実だろう。後述するが,身体的のみならず精神的,社会的なものまで幅広い効果が期待できる。
一方でハードなトレーニングに励むアスリート・運動愛好家(以下,アスリート)は,本当に皆が「健康」と言えるのだろうか。実際には,倦怠感や息切れなどの症状を抱えていたり,記録の伸び悩みやスランプなど,不調を感じたりしながら競技を続けているアスリートは少なくない。ここに,スポーツ内科の出番があるといえる。スポーツ内科は,運動・スポーツによって発症する内科的疾患の予防や治療を行う医学分野である。
以上をまとめると,「適度な」運動は良い医学的効果を持つが,「度を超す」運動は逆に健康を害する可能性があるということになる。物事には限度があり,適度なレベルにとどめておかなければ,せっかく健康増進目的で始めた運動も,かえって健康を害する可能性があることを忘れてはならない。
以下に,臓器/機能別の運動の「医学的効果」と「弊害」をまとめたい。
Copyright © 2020, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.