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放課後等デイサービスの展開とその特徴
放課後等デイサービスは2012年の児童福祉法の改正により,障害児の福祉サービスの体系の見直しのもとで制度化された。このサービスの特徴は,学齢時における障害児に対して,放課後の支援に焦点を当てながら,発達支援の特徴である「子どもへの発達支援(狭義の発達支援)」「家族支援」「地域支援」の3つの視点によるサービスを行うことが求められている点である1)。放課後等デイサービスに関して言えば,「子どもへの発達支援」では,「育ちや暮らしへの意欲」「コミュニケーションする力」「生活する技術・技能」「自分で決めて自分で選ぶ力」の4つを目標としている1)。「家族支援」では,子どもが最大限に成長,発達できる基盤となる家庭生活,親子関係を支援することを明らかにしたうえで,あくまで「子ども中心」の目標である。「地域支援」は地域の支援機関との連携,地域への専門的支援の提供,地域との交流など,地域と積極的に関係していくことを目的としている。
この制度の前身は,障害者自立支援法(現 障害者総合支援法)における「児童デイサービス事業」である。ただし,児童デイサービス事業は,就学前の障害児の療育を中心とした取り組みと就学後も療育を目的とはしているものの,利用形態としては,日中活動,居場所などの提供の取り組みがあり,この両者の利用実態が大きく異なっていたことからも,就学前児の利用する児童デイサービスⅠ型と就学後の児童を含んだ幅の広い利用者の児童デイサービスⅡ型の2種類に分かれていた。すでに,この時点で障害児の発達支援を専門的に取り組む療育中心の実践と,放課後の障害児の居場所,活動支援,保護者のレスパイト(一時的な休息)などの家庭外の子どもの預かり中心の実践と2つの要素が入っていたことが理解できる。その後,2012年度の児童福祉法改正により,児童デイサービスⅠ型は児童発達支援に,児童デイサービスⅡ型は放課後等デイサービスとなり制度として分離した。
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