特集 地域に「はたらく」をつくる
各地のモデル事業—地域を醸すソーシャルワイナリー
高橋 和也
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1社会福祉法人悠和会 法人事務局
pp.420-421
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200879
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はじめに
社会福祉法人悠和会は,岩手県のほぼ中央に位置する花巻市で2000年に設立された法人です。童話作家で有名な宮沢賢治の故郷「イーハトーブ」と言えばわかる方も多いかもしれません。ワークステージ銀河の里(就労継続支援B型)では,1日平均40名の方が利用しており,農村地域に位置する土地柄,稲作,りんご,野菜の栽培など農産事業を主軸に,近年は高齢によりリタイアせざるを得ないりんご農家から園地を引き継ぎ,その栽培および加工事業も行っています。現状,花巻市では60歳以上の農業者の割合が49%,うち70歳以上に至ってはその半数以上を占め,耕作放棄地の増加や,担い手不足などが大きな課題となっています。一方で古くから果樹栽培が盛んな地域でもあり,2016年には地域振興を目的とした「花巻クラフトワイン・シードル特区」の認定を受けています。
今回ご紹介するワイナリー事業は,酒税特区を活用してワイナリーを設立し,耕作放棄地を活用し原材料生産を行いながら地域課題の解決に取り組むとともに,農業と福祉が連携し,地域に新たな価値を創造することで,障害者の経済的,社会的自立と,これからの地域づくりに貢献することを目的としています。
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