特集 ノーリフトケア—介護者・対象者 共にやさしい起居・移乗技術
抱え上げないケアの必要性—海外の取り組みと日本の現状
保田 淳子
1
1一般社団法人日本ノーリフト協会
pp.324-329
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200851
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はじめに
厚生労働省は,2015年に「10年後の2025年を迎えるころには,37万人近い介護人材が不足する」と発表した1)。そして,病床の機能分化・連携,在宅医療・介護の推進,医療・介護従事者の確保・勤務環境の改善等,「効率的かつ質の高い医療提供体制の構築」と「地域包括ケアシステムの構築」を急務の課題2)とし,2014年制定された医療介護総合確保法3)に基づき,市町村などと連携・協働しながら医療・介護サービス提供体制の総合的・計画的な整備を推進することを目的に2014年第1回医療介護総合確保促進会議4)を開催した。
介護の人材不足の要因の1つである介護環境の整備を早急に整えるべき課題解決のため,10万円以下で購入可能な介護ロボットを2025年までに大量に供給できるよう(高齢単身世帯700万台分,介護職員240万台分)5)ロボット介護機器開発・導入促進事業が開始され,介護ロボット開発への助成が開始された。厚生労働省などの資料でもわかるように,介護職員の負担軽減を行い生産性の向上につながるとしたものは,介護ロボットだけでなく,次世代型介護技術として,ノーリフティングも一億総活躍案に記載されている6)7)。
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