“抱え上げない介護”の落とし穴

　家族介護をされている方に技術講習を行なったときのこと。ひととおり実技を終えて質問を募ったところ、94歳の母親を介護しているという初老の女性が真っ先に手を挙げました。

　「先日、母がトイレに行こうとして転倒してしまいました。私1人ではどうしても起こすことができなくて、夫が帰ってくるまでその場に寝かせておくしかありませんでした。