特集 高齢者のフレイル(虚弱)と生活機能低下
高齢者の低栄養の問題とフレイル
榎 裕美
1
1愛知淑徳大学健康医療科学部健康栄養学科
pp.194-199
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200817
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はじめに
フレイルは,サルコペニアと低栄養を中核的病態とし,低栄養が存在するとサルコペニアにつながり,活力低下,筋力低下,身体機能の低下を誘導し,消費エネルギー量の低下から低栄養状態を促進させる。つまり,フレイルティ・サイクル(図1)1)の進行は,生活機能の悪化,介護度の重症化につながる。したがって,低栄養はフレイルを招く重要な因子であり,また,転倒予防や介護予防の観点からも重要で,低栄養の予防は,生活機能の維持およびQOLの維持・向上につながることは明らかである。
本稿では,高齢者の低栄養の要因と食生活の特徴を述べ,フレイルの予防的視点について概説する。
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