特集 フレイルとその予防対策
フレイルの基礎知識 フレイルと低栄養
木下 かほり
1
,
佐竹 昭介
1国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター フレイル研究部フレイル予防医学研究室
キーワード:
炎症
,
食品供給
,
重症度指標
,
高齢者評価
,
栄養失調
,
咀嚼障害
,
社会学的因子
,
フレイル
Keyword:
Inflammation
,
Food Supply
,
Frailty
,
Severity of Illness Index
,
Geriatric Assessment
,
Sociological Factors
,
Malnutrition
pp.299-304
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2020187171
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<Headline>1 低栄養の診断定義は2018年にGLIM基準が発表され、「スクリーニング→診断的アセスメント→診断→重症度判定」のステップを踏む。診断には体重減少(低BMIや骨格筋量低下を含む)、食事摂取量または吸収障害、炎症状態などの評価が含まれる。2 低栄養の診断基準に含まれる炎症状態は、フレイルの発生とも関連しており、炎症性サイトカインが骨格筋の合成阻害および異化亢進に作用して筋力低下や身体機能障害を引き起こすと考えられている。3 一方、低栄養のスクリーニングにおいて"低栄養のリスクあり"と判定された者の90%はフレイルまたはプレフレイルであり、フレイル予防のためには低栄養リスク状態に陥る前からの介入が必要である。4 高齢者の栄養不良(低栄養、過栄養、栄養の偏りなど)を引き起こす食生活は、フレイルの特徴である身体的・社会的・精神心理的側面の影響を受けるため、これらの側面から食に関する問題点の抽出と、個人にあわせた食事改善が必要である。
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