特集 在宅における心臓リハビリテーション
地域における訪問心臓リハビリテーション—総論として
諸冨 伸夫
1
1昭和大学藤が丘リハビリテーション病院リハビリテーション科
pp.750-754
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200693
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高齢者における心臓リハの現状
1.心臓リハ患者の高齢化
わが国では生活習慣の欧米化や高齢化に伴う弁膜症疾患の増加により,心疾患患者が増加している。また,近年のエビデンスに基づいた標準治療は心疾患の生命予後を改善してきた。その結果,高齢心不全患者数は増加の一途をたどっている。心不全患者数の予測に関する疫学研究では,高齢心不全患者は2030年には130万人にも達すると言われている(図1)1)。わが国の心不全患者の平均年齢は71歳と高齢であり,複数の疾患を併存していることが特徴である1)。吉田ら2)は,心筋梗塞患者を対象に心臓リハの不参加理由を経年的に評価した。それによると,心臓リハ不参加理由は1993年では心筋虚血や主治医の消極性が主であったのに対して,2006年では歩行障害が不参加の最多理由であった。
これらのことから,わが国において高齢心不全患者が急増するのに伴って,外来通院型心臓リハに参加できない患者も増えていくことが予測される。
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