特集 高齢者の下肢病変と在宅支援
下肢病変を持つ在宅療養者に対する訪問看護の役割
佐々木 真理子
1
1社会医療法人敬和会大分豊寿苑訪問看護ステーション
pp.650-654
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200671
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筆者は訪問看護師として地域で在宅療養者を支援し,15年が経過した。社会医療法人敬和会には創傷ケアセンターがあり,入院治療を終え,自宅で創の管理が必要な方の訪問看護を担ってきた。昨日まで患者さんだった方も,家に戻れば家庭の中での役割があり,生活を営むための仕事がある。創の治癒を目指すには,病院での管理を自宅仕様にアレンジし,療養者自身の役割を果たせるような環境を整えていくことが必要である。病気や障害を抱えていても,自分らしい生き方ができるよう,療養者の自立を促すことがわれわれ看護職の役割となる。
訪問看護ステーションが支援する対象は乳児から高齢者まで,対象の年齢はさまざまである。また,病態も予防から看取りまでと幅広く,活動するフィールドは療養者の自宅に限らず高齢者施設,障がい者施設や学校等においても看護展開している。在宅で疾病や障害を抱えた方を支援する際,療養者本人および介護する家族の価値観,生きてきた歴史・背景,健康増進に対する管理能力など自らの疾病や病態,症状に向き合う,自身の健康観が影響していることを痛感している。その人が,どのような生活を望むか,どのような生き方をしたいかということを反映させた治療方針,療養方針の決定こそが療養者の自立を加速させると考える。
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