特集 高齢者の下肢病変と在宅支援
フットウエアの基礎知識
砂田 和幸
1
1有限会社砂田義肢製作所
pp.638-642
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200669
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はじめに
現在,多くの病院でフットケア外来などが行われている。しかし,糖尿病足病変のフットケアになると専門的知識(下肢救済・足病学会が制定する認定師制度等)とチームアプローチが必要不可欠である。
フットキュア・ケア・ウエアを行って,さらにPT,栄養士,家族の協力がなければ,下肢救肢(足を守る)は難しい(図1)。
創傷治療の中で特に注意しなければならないことは,血流の評価と創傷部分の除圧と免荷である。血流の計測法として皮膚灌流圧(skin perfusion pressure:SPP)が用いられ,40mmHg以上の値が必要。そのため,糖尿病足病変で一番大切なことは,創傷部分の血流の確保である。
SPPの数値が30mmHg以下で,いくらフットウエアや装具を用いて除圧や免荷を行っても創傷部分が治癒することは難しく,血流が確保できないままデブリードマンや陥入層の手術を行うと,さらに重症化させてしまう原因になりかねないため,十分注意する必要性がある。
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