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今回,「レベルアップ! スピードアップ! フォローアップ!」をメインテーマに開催された回復期リハビリテーション病棟協会研究大会in広島(以下,今大会)に参加させていただきました。レベルアップには「リハビリ医療の質向上」,スピードアップには「患者改善や連携の効率向上」,フォローアップには「地域生活継続への貢献」という思いが込められているとのことでした。演題数は口述発表,ポスター発表共に合わせると1,000題以上,参加者は3,200名以上と会場内はとても賑わい,これからの回復期リハ病棟に対する関心の高さがうかがえるものでした。地域包括ケアシステム時代を迎え,回復期リハ病棟は今まで以上に「質」を問われる時代となります。病棟の質を向上させるためには,それぞれ専門職としての知識・技術向上,迅速かつ正確な情報伝達と目標の共有,そして入院中から退院後の生活を見据えた介入を行い,適切な退院支援を提供することが大切であり,まさしく今大会のテーマの重要性を認識しました。
そして今大会のもう一つの目的である,自身の発表では,「褥瘡を繰り返す脊髄損傷患者に対し主体性獲得を目指した取り組み」という題目で,在宅での褥瘡予防・管理,切れ目のないフォロー体制の獲得を目指し介入した症例について発表させていただきました。この発表では,入院中より退院後の生活を見据えながら介入していたつもりでしたが,褥瘡予防・管理ばかりに注意が向いてしまったために,十分に地域生活まで介入することはできなかったという反省が残りました。発表後,退院後の就労支援に関する質問をいただき意見交換を行う機会がありました。同じように悩んでいる人がいるということを知り,PTとして機能や能力向上・獲得ばかりにとらわれるのではなく,利用者様をもっと広い視野でとらえていかなければならないと感じました。また,発表後に参加いただいた方々としっかりと意見交換ができたことは,ポスター発表ならではであり,とても有意義な時間を過ごすことができました。
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